弁護士コラム | 카지노 승률 높은 게임 (東京・神奈川・神戸・福岡の弁護士事務所) 弁護士25名 東京(青山一丁目),神奈川(横浜・相模原・溝の口・平塚・海老名),神戸,福岡に事務所を置く総合法律事務所 Sat, 27 Oct 2018 07:40:41 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.5 「ジャーナリスト」と真の英雄 /column/11368/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=post-11368 Sat, 27 Oct 2018 07:40:41 +0000 http://minatokokusai.jp/?p=11368 フリージャーナリスト安田純平さんが無事解放されました。このことは大変喜ばしいニュースだと思います。本来、喜ぶべきニュースであるにも拘わらず、なぜ、ネット上でバッシングが起きるのか、この点については、別途考える必要があると思っています。

ネット上の「世論」は、端的にいうと、その人(あるいはその人の属性)が好きか、嫌いかというスタンスの違いで形成されていくという側面があることは否めません。インターネットは、一方的に放送されるテレビメディア等とは異なり、自らの嗜好によって、情報を取捨選択することができる点が大きな違いです。

そのため、今回のケースで言えば、「ジャーナリスト」という属性に対して好ましくない考えを持っている人が、ある一方では集まり、ある一方では政権与党に対して好ましくない考えを持っている人が集まって、それぞれの言論を構成しているのではないかと思います。

私個人としては、「ジャーナリスト」が危険な場所に赴き、取材することについては、命がけで自らの職責を果たそうとしているという意味で尊敬に値すると思っています。危険だという理由で誰も行かなければ、一般人にとって、現場の状況は全く分かりませんし、知ることもできません。危険な戦場でジャーナリストが撮影した一枚の写真が、戦争を終わらせ、多くの人命を救うこともあるのですから、そのような「ジャーナリスト」の活動は崇高なものというべきでしょう。

ただ、現在では、ビデオカメラやパソコン、各種通信機器が、安価で準備できるようになり、誰でもインターネット上に情報発信ができるようになりました。その意味は、誰もが「ジャーナリスト」になれてしまいます。その中には、見方によっては、単なる「旅行者」と変わらないレベルの人がいるかもしれません。

結局のところ、その人が、「ジャーナリスト」なのかについては、その人のこれまでの報道内容、取材によって報道しようと考えた内容を含めて検証されなければならないと思っています。

また、「ジャーナリスト」であれば、相応の準備、リスク管理は当然に求められることになります。いかに自らの職責が崇高であるとしても、あまりにも無防備であったとすれば、それは、プロフェッショナルと呼ぶにはほど遠いと言わざるを得ません。

その意味で、今回無事に救出された安田さんが、どの程度の事前準備をしていたのかについては、検証されてしかるべきであると思います。雪山で遭難した人が救助された場合、その装備については、同様の事件が起きないようにするために、必ず検証され、議論されるのですから、それは、「ジャーナリスト」としても、同じことだと思います。

また、今回、救助直後から、政府が何もしていなかったという批判がなされています。仮に、軽装かつ単独で雪山登山をした結果、遭難して、山岳隊に救助された人(あるいはその周囲の人)が、救助が遅いとか、救助のやり方がおかしいとか、救出された直後に発言したとしたら、やはり、バッシングを受けるのではないでしょうか。

いかなる事情があれ、政府が救助すべきは当然ですし、自己責任だから放っておけというのは、危険な仕事を行っている人に対する無理解から生じるものだと思っていますので、私は同意することはできません。

しかしながら、真に英雄視すべきは、有用な情報を取得し、誰にも迷惑をかけずに無事に帰国した人であって、自らの準備不足や見識不足で拘束され、結果的に助けられた人を英雄視するような風潮は誤っていると思っています。

今回救出された安田さんがどの程度の事前準備をしていたのかは定かではありませんが、少なくとも、十分な検証がなされない段階で、英雄視すべきは時期尚早だと思っています。

本当の英雄は、実際には、明らかにできない様々な事情がある中で、決して明らかにすることができない(あるいは永久に明らかにされないであろう)、安田さんを救助するために奮闘した人々(政府関係者も含む。)であって、本当の英雄に対して、むしろ非難するような「ジャーナリスト」を擁護しようとする気にはなれないというのが、私の率直な感想です。

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エントリーシート /column/10536/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=post-10536 Wed, 14 Mar 2018 10:56:48 +0000 http://minatokokusai.jp/?p=10536 弁護士の最所です。

大学生の就職活動が本格化しているようです。 私ども、弁護士の業界でも、優秀な新人に来てもらいたいと、弁護士会が行う就職説明会等に事務所として参加させてもらったりしています。

司法修習生(※司法試験合格後の研修を受けている方)の方々とお話をさせて頂くと、当時自分が考えていた弁護士像と現実の自分との差を改めて認識させられます。

心のなかで、その感覚大事、うんうん。いやぁー、簡単に言うけどさぁ、結構、大変なのよ・・・etc。

私どもの事務所で一緒に働きたいという方には、是非、来ていただきたいと思っています。

とはいえ、現実には、多くの方々を受け入れるだけの余力が事務所にはありません。

やむなく、選別をしなければなりませんが、その場合、一番始めに確認するのが、いわゆるエントリーシートです。

弁護士会の書式では、経歴(学歴、職歴)、志望動機、自己PR等を記載するのが一般だと思います。

そこで、どのように記載するのが良いのか、弁護士の就職について書かれたものは多くありませんが、基本的には、大学生の就職活動と同じだと思います。

私が、就職説明会で時間があると訴訟の場面に置き換えて、次のように説明しています(※法律関係者向けの説明です。)。

 請求の趣旨 私を採用せよ。

 請求原因  事務所の求める人材の要件

 証拠      自らが事務所の求める人材の要件に該当することを証明する事項

事務所がどのような人材を求めているのか、この点については、事務所のホームページや就職説明会での説明によって、ある程度は分かります。

その事務所が求めている人材に、自らがいかに合致しているのか、その点について、自己PRをしていけば良いわけです。

通常、司法試験の成績やロースクールでの成績を添付することが求められますが、これは、自らが事務所の求める人材に合致していることの「証拠」になります。もちろん、全部の成績が良くなくても構いません。良い成績の科目とを紐付けるだけのストーリーがあれば、十分です。

例えば、企業法務に関わる人材が欲しいと事務所が求めている場合、普通に考えれば、会社法等の民事系の成績が良ければと考えるのが通常でしょう。しかし、それらの成績は、すこぶる悪い。自分の成績を見てみると、民事系よりも刑事系と公法系の成績の方が良いというケース。

そういう場合は、企業経営におけるコンプライアンスの観点、公法上の規制の観点から、自らの志望動機と自己PRを行っていくというのも一つの方法だと思います。

エントリーシートを見ていると、何の目的で相手方がこの書面を求めているのかという視点が欠けていると思われるものも、残念ながらあります。

一例として、志望動機。

事務所の求める人材に自らが合致しているのだというということをアピールする目的で志望動機を書くべきところを、自らの自己実現を図る場として事務所があるというスタンスで記載してしまう。もちろん、本音が後者にあるのは当然で、それは、採用する側としても理解しているのですが、それでは、採用する側が求めていることに対して答えたことにはなりません。

弁護士の業務においては、今、自分が作成している書面が何の目的で、そして、どのような結論を導くために作成しているのか、その書面の意味を常に考える必要があります。

書面を作成するときは孤独ですが、当然、書面には、それを受け取る相手方がいます。

相手方のニーズに応じた書面でなければ、いかに書面の内容が素晴らしくても、それ自体には全く価値がありません。

相手方のニーズに応じて対応する、このことは、まさに、コミュニケーション能力そのものです。

これが、弁護士に最も求められている能力ではないかと考えています。

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東京オリンピック開催の雑感 弁護士 三好啓 /column/6261/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=%25e6%259d%25b1%25e4%25ba%25ac%25e3%2582%25aa%25e3%2583%25aa%25e3%2583%25b3%25e3%2583%2594%25e3%2583%2583%25e3%2582%25af%25e9%2596%258b%25e5%2582%25ac%25e3%2581%25ae%25e9%259b%2591%25e6%2584%259f%25e3%2580%2580%25e5%25bc%2581%25e8%25ad%25b7%25e5%25a3%25ab%25e3%2580%2580%25e4%25b8%2589%25e5%25a5%25bd%25e5%2595%2593 Thu, 24 Oct 2013 01:01:02 +0000 http://minatokokusai.jp/?p=6261
Screenshot of tokyo2020.jp

先月、2020年の夏季オリンピックが東京で開催されることが決定しました。

1964年にも、東京でオリンピックが開催されましたが、前回の東京オリンピックのときは、まだ私は生まれていませんでした。今まで、国外で開催されたオリンピックを見に行ったこともありませんでしたので、もともとスポーツを生で観戦することが好きなこともあり、初めて間近でオリンピックを見られることを、今から楽しみにしています。

世界トップレベルのアスリート達の競技が間近で観戦できることのほかにも、雇用促進、外国からの観光客の増加、経済の活性化など、今回決定された東京オリンピックの開催には、多くの効果が期待されていますが、個人的には、健康増進に向けてのチャンスだと思っています。 昔からスポーツで身体を動かすことは好きで、普段も運動不足に陥らないよう気を付けているのですが、今回の開催決定は、自分の運動習慣を維持するモチベーションにもつながることを期待しています。 周りを見ても、今回の開催決定が報道されて以来、老若男女問わず、ジョギングやサイクリング、球技をしている人を以前よりも多く見かけるようになったと感じますし、スポーツジムに行ったときも、利用者が増えたように思います。

これからも、身体の健康を保つことは生活の基本と位置づけ、運動習慣を大事にしていきたいです。

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Light Up Nippon について  弁護士 田中紀行 /column/5338/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=light-up-nippon-%25e3%2581%25ab%25e3%2581%25a4%25e3%2581%2584%25e3%2581%25a6-%25e3%2580%2580%25e5%25bc%2581%25e8%25ad%25b7%25e5%25a3%25ab%25e3%2580%2580%25e7%2594%25b0%25e4%25b8%25ad%25e7%25b4%2580%25e8%25a1%258c Thu, 01 Aug 2013 07:19:06 +0000 http://minatokokusai.jp/?p=5338 lun logo

2011年3月11日に、東日本大震災がおきました。
某大手広告代理店に勤める小職の中学校からの友人の発案のもと、被災地を元気にしたい、日本を元気にしたいということで、震災から5ヵ月が経った8月11日に、東北から北関東にかけての太平洋沿岸十数か所で「追悼」と「復興」の意味を込めて花火を打ち上げる「Light Up Nippon」(東日本大震災 復興支援プロジェクト 追悼と復興の花火大会)に協力することになりました。
花火には、本来、「追悼」と「復興」の意味があるそうです。

「Light Up Nippon」は皆様からの募金・協賛金で行うイベントであり、小職の個人的なプロボノ活動になります。

昨年は、皆様からの募金・協賛金以外にも花火を打ち上げるための資金を得るため、2011年8月11日に東北の太平洋沿岸10か所で一斉に打ち上げたLight Up Nipponのプロジェクトを追ったドキュメンタリー映画「Light Up Nippon」を制作いたしました。
今年は、福原美穂さん、JAY’EDさん、Phillip Wooさん、KEN for 2 SOUL MUSIC INC.さんに作詞・作曲のご協力を得て、チャリティソング「Light Up Nippon~空に花、大地に花~」を制作することになりました。同楽曲の制作には、たくさんのアーティスト、著名人のほか東北の子供たちにもご協力いただいております。
同楽曲のCD販売、レンタル及び同楽曲の配信を行います。その収益はすべて打ち上げられる花火の資金になります。

CDジャケット写真

小職にとっても、映画、音楽にかかる複雑に入り組む権利関係の処理、distributorを含む関係者との交渉は、映画・音楽ビジネス及び著作権その他関係法令の理解を深めるための良い機会になりました。

「Light Up Nippon」は、今年も8月11日に、東北から北関東にかけての太平洋沿岸で行います。来年も再来年もその後も、皆様からの協力が得られる限り、続けてまいりたいと思っております。ご興味・ご関心のある方は、「Light Up Nippon」のホームページをご確認ください(http://lightupnippon.jp/)。「Light Up Nippon~空に花、大地に花~」を聴いてください。

また、弊事務所といたしましては、著作権、商標権その他知的財産権についてのご相談についても対応させていただきますので、どうぞお問い合わせください。

参考

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ある日突然借金まみれに!?~国籍の違いが生む意外な問題~ 弁護士 静谷豪 /column/5174/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=%25e3%2581%2582%25e3%2582%258b%25e6%2597%25a5%25e7%25aa%2581%25e7%2584%25b6%25e5%2580%259f%25e9%2587%2591%25e3%2581%25be%25e3%2581%25bf%25e3%2582%258c%25e3%2581%25ab%25ef%25bc%2581%25ef%25bc%259f%25ef%25bd%259e%25e5%259b%25bd%25e7%25b1%258d%25e3%2581%25ae%25e9%2581%2595%25e3%2581%2584%25e3%2581%258c%25e7%2594%259f%25e3%2582%2580 Fri, 12 Jul 2013 03:12:54 +0000 http://minatokokusai.jp/?p=5174 大阪には韓国籍の方が多く居住しておられますので,大阪事務所でも韓国籍の方からご相談いただく機会が多々あります。とは言っても,日本で生活する限り,日常の活動に適用される法律は日本の法律ですから,国籍の違いが法律の世界で問題になることはあまり多くありません。
ですが,国籍の違いが適用される法律の違いにはっきりと表れる場面もあり,その代表例として,相続に関する問題を挙げることができます。

日本では,「法の適用に関する通則法」という法律が,外国人が関係する法律上の問題について,いずれの法律を適用すべきかということを定めています。そして,その36条では,「相続は,被相続人の本国法による」と定められています。そのため,日本に在住する韓国人が亡くなった場合には,そこから発生する相続問題については,基本的に韓国の法律を適用すべきだということになります。
ただ,例外として,遺言の中に「私は日本の法律を相続の際に適用される法律として指定します」といったような内容が盛り込まれている場合には,その方の相続には日本の法律が適用されることになります。

このように,同じように日本国内で生活していても,適用される法律が異なる場面が出てくるため,どのように解決すればよいか一般の方には判断に困るケースが出てきます。
私が実際に依頼を受けた案件は,相続放棄に関する問題でした。
相続放棄をする場合,日本の民法では「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から3か月以内に,家庭裁判所に対して放棄の申し出をしなければならないとされています。
通常は,被相続人が亡くなられるときにプラスの財産もマイナスの財産も把握されているケースが多いかと思いますが,まれに,死後数か月又は数年といった長期間が経過してから多額の借金の存在が明らかになったというケースも見受けられます。
そのような場合,先ほどの「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」をいつからカウントするのかという問題として扱い,そのスタート地点をずらすことで解決を図るのが日本の法律のもとでの裁判所の考え方であり,実際にもそのような運用が図られています。
もっとも,亡くなった方が韓国籍であり,遺言で「日本の法律を適用する」といった指定がされていないケースでは,日本の法律は適用されませんので,このような解決方法は取れないことになります。
それでは,韓国の法律ではどうなっているのかと言うと,日本と同様に相続放棄の制度は設けられているのですが,韓国の裁判所は,期間制限のスタート地点をずらすという考え方について否定的な立場をとっています。
とはいえ,途方もなく大きな金額であるにもかかわらず,その存在について何も知らなかったような借金を,ある日突然背負わないといけなくなるというのは,あまりに不合理です。
そこで,韓国の法律では,「特別限定承認」という制度を設けて,このようなケースの解決を図っています。私の場合も,韓国の法律に定められたこの制度を,日本の裁判所の下で利用し,問題の解決にあたりました。

このように,国籍の違いが思わぬところで問題となることがあります。その場合,必要な手続き,そこで求められる書類といった専門的な知識なくしては,適切に問題を解決することが難しいように思います。
すでにこのような問題を抱えている,又はこれからそういう問題が起こりそうだという方は,早めに弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

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遺留分減殺請求と寄与分 弁護士 池田雄一郎 /column/4970/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=%25e9%2581%25ba%25e7%2595%2599%25e5%2588%2586%25e6%25b8%259b%25e6%25ae%25ba%25e8%25ab%258b%25e6%25b1%2582%25e3%2581%25a8%25e5%25af%2584%25e4%25b8%258e%25e5%2588%2586%25e3%2580%2580%25e5%25bc%2581%25e8%25ad%25b7%25e5%25a3%25ab%25e6%25b1%25a0%25e7%2594%25b0%25e9%259b%2584%25e4%25b8%2580%25e9%2583%258e Mon, 01 Jul 2013 02:41:46 +0000 http://minatokokusai.jp/?p=4970 相続関係図

事務所に来られた方から日々様々なご相談をいただきますが、最近相続関連のご相談が多いと感じています。
相続分野は、様々な制度が混在しており、制度間の関係性を把握するのが難しい分野です。
今回は遺言と遺留分と寄与分の関係について取り上げてみたいと思います。

(事例)
亡くなったAにはB、C、Dという子がいました。Aの生前、BがAの仕事を手伝い、Aが病床に伏してからはBがAを献身的に介護していたので、AがBの功績を認め「全財産をBに譲る」という遺言を書きました。

(遺言と遺留分の関係)
このような状況でCとDはBに対して何か言えることがあるでしょうか。
…子は親の遺産に関し遺留分を持っています。遺留分は遺言によっても奪うことができません。CとDはAの子ですのでAの遺産に関し遺留分を持っており、CとDは全財産を遺贈されたBに対して遺留分減殺請求権を行使できます。

(遺留分と寄与分の関係)
これに対して、Bは、生前Aの仕事も手伝わず介護もしていないCとDに遺産を分けることに納得がいかず、CとDの遺留分減殺請求に応じずにいたところ、C及びDから遺留分減殺請求の訴訟を提起されました。
この訴訟において、Bは、「自分の働きによってAの財産を増やしたり、維持したりできたんだから、その部分については遺留分など認められない」と反論することができるでしょうか。

…現在の通説、裁判例(東京高決平成3年7月30日判タ565)上、そのような反論はできません。
Bの反論は、法律上「寄与分」と呼ばれるものです。寄与分が認められる場合、相続財産から寄与分の額を控除して算定した額を相続財産とします。

もっとも、民法上、遺留分の算定の基礎となる財産は、相続開始時に被相続人が有していた財産の価格に生前に被相続人が贈与した(一定の)財産の価格を加えたものとされています。すなわち、遺留分の算定の基礎から寄与分を控除することは民法に定められていないのです。また、寄与分は、相続人の間で協議が整わない場合、家庭裁判所が審判で決めるものだと民法で規定されており、訴訟で反論することが予定されていません。

したがって、BはCとDから起こされている遺留分減殺請求訴訟の中で、Aの遺産の中からBの寄与分を控除した額を遺留分の基礎にしてほしいと主張することができないのです。

いかがでしょうか。3つの制度があるだけで結構複雑ですが、さらにこれに認知、養子縁組等(誰が遺留分権利者なのか)、特別受益等が関わってくるともっと複雑になります。親族関係が入り組んでいる場合の相続は事前に専門家の意見を聞くことをお勧めします。

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先物取引について 弁護士 稲永泰士 /column/4873/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=%25e5%2585%2588%25e7%2589%25a9%25e5%258f%2596%25e5%25bc%2595%25e3%2581%25ab%25e3%2581%25a4%25e3%2581%2584%25e3%2581%25a6%25e3%2580%2580%25e5%25bc%2581%25e8%25ad%25b7%25e5%25a3%25ab%25e3%2580%2580%25e7%25a8%25b2%25e6%25b0%25b8%25e6%25b3%25b0%25e5%25a3%25ab Mon, 17 Jun 2013 02:03:11 +0000 http://minatokokusai.jp/?p=4873 eyecatch_image

 先日、依頼を受けていた先物取引の和解金の入金がありました。
 相手方は、既に先物取引業務をしておらず、取引終了から3年以上も経っていたので、おそらく裁判は不可避だと思っていましたが、何とか交渉で解決することが出来ました。

ここ数日、アベノミクスの副作用?か、株価の乱高下が続いています。
 かくして、私もその被害者の一人です(笑)。

 上場株式の取引は、自己責任の範囲内と言えますが(但し、ここ最近は、市場原理とは別の要因が指摘されていますが・・)、先物取引については、この自己責任原則があてはまらないことが多いです。
 ここから先は、一般論ですが、
 業者の中には、取引員が委託手数料を稼ぐために無意味な取引を行ったり(いわゆる客殺し)、先物取引の危険性についての説明を怠ったり、金融取引経験のない主婦など、本来勧誘すべきでない方をターゲットにしたり、老後のための資産を食い物にする悪質な業者も、中にはいます。
 万一、悪質な業者にあたった場合には、必ず損をするようにできている(仕組まれている)と言っても、過言ではないかもしれません。

先物取引について簡単に説明すると、将来の一定の時期に商品などを受け渡しすることを約して、その価格を現時点で決めて行うような取引です。但し、実際に現物のやりとりはしません。
 客は、物品の種類(金や大豆、灯油など多岐にわたります)、受渡時期(限月)、数量(枚数)などを指定し、担保としての委託証拠金を差し入れて建玉(買うか売るかについてで、買玉、売玉と言います)をして、市場の値動きを見て落玉(売戻か買戻)をして、その差金を決済して、業者の手数料と税金を払って清算するという仕組みになっています。

業者の手数料稼ぎの代表的な方法として、両建、直し、途転、日計り、不抜けという取引手法があります。
両建というのは、簡単に言えば、既にある商品について買玉をしているのに、反対の売玉を建てることを指します。
 売玉を建てるということは、買玉に損が出ているということなので、損切りをすればいいにもかかわらず、その損失をくい止めると称して、別途証拠金を出させて反対の売玉を建てさせてその分の手数料も稼ぐというものです。
 直しは、一日に何回も同じポジションの建玉をすることで、簡単に言えば、買玉を一旦仕切らせて、また買玉をするようなことです。  買玉のままでいいのならば、別に仕切る必要はないにもかかわらず、2回仕切らせれば、2回分の手数料が業者に入るので、業者のための無意味な売買であることが多いです。
 同じように、建玉をしたその日のうちに仕切らせるようなものが日計りと言います。
 一日のうちでそんなに値動きがないにもかかわらず、手数料稼ぎのために仕切らせるものです。
これらは一例ですが、このような違法性の高い取引は、その業者に対して取引の履歴(委託者別勘定元帳、委託証拠金現在高帳など)を取り寄せて取引内容を分析することでも明らかとなります。

先物取引の被害にあわれた方の中には、家族に打ち明けることができずに、泣き寝入りをしている方もいます。
 被害に遭われた方は、泣き寝入りする前に、一度相談に来られることをおすすめします。

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IPBA(Inter Pacific Bar Association)の年次総会に参加して 弁護士 樫尾洵 /column/4383/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=ipbainter-pacific-bar-association%25e3%2581%25ae%25e5%25b9%25b4%25e6%25ac%25a1%25e7%25b7%258f%25e4%25bc%259a%25e3%2581%25ab%25e5%258f%2582%25e5%258a%25a0%25e3%2581%2597%25e3%2581%25a6%25e3%2580%2580%25e5%25bc%2581%25e8%25ad%25b7%25e5%25a3%25ab%25e3%2580%2580%25e6%25a8%25ab%25e5%25b0%25be%25e3%2580%2580 Thu, 06 Jun 2013 07:25:01 +0000 http://minatokokusai.jp/?p=4383

4月17日から20日まで,代表の玄とともに,ソウルで開かれたIPBA(Inter Pacific Bar Association)の年次総会に参加してきました。

IPBAは,主に太平洋周辺の国の企業法務に関わる弁護士が加盟している団体で,今年の参加者は約1300人と,過去最大でした。会の内容としては,期間中,会場内の複数の会議室で,異なるテーマのパネルディスカッションが行われており,参加者は自由にその間を行き来して,パネラーの議論を聞き,質問をすることができます。

今年の総会のテーマは,「Dynamic Asia」で,パネルディスカッションの内容も,アジアでの企業の活動に弁護士がどのように関わっていくか,というものが多かったように思います。私は,「中小企業の海外進出上の問題点」,「東南アジア各国における外国人の土地・会社所有に関する規制」,「法律事務所の海外進出に関する規制」などのテーマのものを聴講してきました。

パネルディスカッション以外にも,会食の際や会場のロビーでは,近くにいる弁護士とすぐに名刺交換が始まる雰囲気があり,私も,シンガポール,タイ,ベトナムなど,日本でも比較的馴染みがある国から,ミャンマー,カンボジア,スリランカ,バングラデシュなど,初めて会う国の弁護士とも知り合うことが出来ました。

パネラーを含む各国の経験豊富な弁護士と直接話すことができ,非常に貴重な経験となりましたが,特に印象に残っていることは,東南アジアの各国では,成長が軌道に乗っている現在でも,日本からの投資又は企業の進出に対するニーズはまだまだあるということです。海外進出が未了な日本の中小企業の中には,資本金額などをドル換算すると現地では大企業と言うべき規模の会社も多く,そのような企業の進出が,現地の社会との共存を図りつつ進めば,双方にとってメリットがあるのではないかと感じました。

参考

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バンコクで想う(海外雑感) 代表弁護士 玄君先 /column/4788/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=%25e3%2583%2590%25e3%2583%25b3%25e3%2582%25b3%25e3%2582%25af%25e3%2581%25a7%25e6%2583%25b3%25e3%2581%2586%25ef%25bc%2588%25e6%25b5%25b7%25e5%25a4%2596%25e9%259b%2591%25e6%2584%259f%25ef%25bc%2589%25e3%2580%2580%25e4%25bb%25a3%25e8%25a1%25a8%25e5%25bc%2581%25e8%25ad%25b7%25e5%25a3%25ab%25e3%2580%2580%25e7%258e%2584%25e3%2580%2580 Thu, 06 Jun 2013 07:24:49 +0000 http://minatokokusai.jp/?p=4788 photo of Bangkok 1

バンコクの物価は安い。一人当たりGDPで日本を抜いたシンガポールは言うまでもなく、東南アジア主要都市で日本人スタンダードの生活をしようとすると日本で地方暮らしするのとさほど変わらないが、バンコクは違う。路上での屋台を規制しないから家賃を上げられないからなのか、理由はよくわからない。仏教の教えのお陰か、国民が足るを知っていて、あまり身の丈以上の生活を望まない、高い給与を求めてガツガツ働くというよりは、仕事ものんびりするという話も聞く。

photo of Bangkok 2

この勤労習慣に多かれ少なかれ影響しているのが、労働規制だろう。タイでは、外国人が入国して、取引先を訪問しようが、エンジニアが機械の修理をしようが、国内での「労働」とみなされ、法律上は雇用許可証(Work Permit)を取らなければならない。もちろん、出張でWork Permitを事前に取得することは99.9%ない。ただ、これが見つかって当局に身柄拘束される例も最近あったらしいので、厳密には出張者はリスクを取っていることになる。少なくとも法律上は、かなり外国人がタイでビジネスをやりたければWork Permitを取らなければならないということになる。その結果か、ローカル新聞ではWork Permit取得や更新をサポートするコンサルタントの広告があふれている。

加えて、外国人1人にWork Permitを発行するのに4人のローカルスタッフを採用しなければならない。こういった厳しい現地人雇用保護のルールのお陰で1%以下という低い失業率を維持でき、失職のリスクをあまり恐れず、のんびり仕事ができているのかもしれない。

一昨年の洪水被害以降、タイ経済は急速に復興し、タイバーツが高騰し、市内では高層タワーレジデンスの建設ラッシュだ。そういう中でインラック首相が労働者の生活環境改善を目的として、2013年1月1日から最低賃金が一日300バーツに引き上げられた(これは40%の上昇)。この政策がむしろ、物価上昇や中小企業の収益圧迫要因につながりその結果失業者を増やすことが懸念されている。街中では、クレジットカード会社や消費者金融会社の広告とともに、個人信用情報センターの窓口も見かけた。経済成長を実感する中で「足るを知る世界」から「身の丈以上の生活」を目指す社会に変わりつつあるのかも知れない。

高度経済成長期を経て、エコノミックアニマルと揶揄され、一億総中流社会の理想郷を目指した日本は、多額の負債と社会保障費の膨張に苦しんでいる。 比較法上も厳格な解雇制限が終身雇用を可能にし、高度経済を支えるとともに富の分配に貢献した反面、硬直な制度設計が社会の変化に対応出来ず、「足るを知る世界」への回帰をもはや不可能にしつつある。

労働規制がその国の社会、経済に与える影響は大きい。日本の失敗例を学びつつ、タイでも政府による賢明な舵取りが行われることを期待する。

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集団的消費者被害回復に係る訴訟制度について /column/1077/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=%25e9%259b%2586%25e5%259b%25a3%25e7%259a%2584%25e6%25b6%2588%25e8%25b2%25bb%25e8%2580%2585%25e8%25a2%25ab%25e5%25ae%25b3%25e5%259b%259e%25e5%25be%25a9%25e3%2581%25ab%25e4%25bf%2582%25e3%2582%258b%25e8%25a8%25b4%25e8%25a8%259f%25e5%2588%25b6%25e5%25ba%25a6%25e3%2581%25ab%25e3%2581%25a4%25e3%2581%2584%25e3%2581%25a6 Wed, 28 Dec 2011 02:44:39 +0000 http://minatokokusai.jp/?p=1077 非営利団体が被害者のために必死になって戦ってくれるとは思えない。対象も限定していくようで、結局は消費者のためを思って仕事をやっていますよというポーズのために作られた制度に過ぎない。結局は、弁護士が多数の被害者を集める努力をして訴訟を提起していくしかないでしょう。当事務所は社会正義の実現のため、積極的に多数の被害者のための訴訟を手がけて行きます。(弁護士 玄 君先)

 政府は消費者被害を救済するための新たな訴訟制度の概要を固めた。多数の消費者が少額の損失を被った場合に国の認定を受けた団体が代表して集団訴訟を起こし、個人が泣き寝入りしなくてすむようにする。対象は不当な契約や勧誘、誇大広告などに絞り込み、企業への影響が大きい有価証券報告書の虚偽記載や製品事故などは外す。

2011/12/28 1:14日本経済新聞 電子版より引用

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